遊戯王OCGにおいて、リンクモンスターの歴史にその名を刻んだ「トロイメア・ゴブリン」。初の召喚権増加効果を持つカードとして登場し、圧倒的な汎用性と展開力で環境を席巻した後、異例の速さで禁止カードに指定された。本稿では、その禁止理由から2025年7月の制限カード復帰に至るまでの流れを詳細に分析し、現在の買取相場をデータと推論に基づいて考察する。
トロイメア・ゴブリンの登場と禁止に至る背景
カード概要と効果の革新性
-
収録:2018年7月14日「サイバネティック・ホライゾン」
-
属性・種類:リンク2(マーカー:左上/右上)
-
攻撃力:1600
-
主な効果:
-
フィールドに出た場合、追加で通常召喚可能(ターン1回)
-
相互リンク状態のモンスターに「対象耐性」を付与
-
-
召喚権追加はOCG初。
-
素材条件が緩く、展開と耐性の両立が可能。
トロイメアゴブリンはリンクショックからの復帰でハリファイバー並みに使われたカードでしたね!現状では最強カードという流れまでは持っていきづらいかはさておきマルチャミーや増殖するGの登場から特殊召喚だけしてメタをするという点やエクストラリンクという部分から解消されたという経歴もあります。
《トロイメア・ゴブリン》は単なるリンクモンスターではない。召喚権の概念に介入した初の汎用ギミックであり、従来の「1ターンに1度しかできない通常召喚」というルール側制約に、デッキ構築上の工夫を介さず踏み込むカードデザインだった。
-
通常召喚の追加は、カードアドバンテージではなく「行動回数」そのものの水増し。
-
素材指定が「モンスター2体」に過ぎない以上、この“制度への干渉”が汎用リンク展開の初動枠として最大効率で作用することは自明。
-
「リンク召喚のためのリンク召喚による展開支援」=設計上の閉路(ループ)を内包する設計不備。
結果、「展開→召喚権増加→展開→リンクマーカー拡張→展開」という流れは悪魔的でしたね。
環境での猛威:エクストラリンクとFTK
《トロイメア・ゴブリン》は以下のデッキで大活躍:
-
グッドスタッフリンク:汎用リンクモンスターで盤面制圧(エクストラリンク)
-
トロイメア剛鬼:リンク召喚連打による継続展開
-
ユニオンリンク:追加召喚でFTKを実現
特に《ファイアウォール・ドラゴン》や《オルフェゴール》《SPYRAL》などとの連携が強力すぎ、トーナメント上位を独占。リンク召喚制約を無力化する動きが問題視されました。
1.3 禁止指定の経緯
-
TCG:登場からわずか136日(2018年9月17日)で禁止
-
OCG:2018年10月に制限 → 2019年1月に禁止へ
禁止の理由:
-
展開力の過剰供給
-
デッキを選ばない汎用性
-
除去困難な耐性効果
禁止期間中の環境変化とゴブリンの再評価
遊戯王環境の進化(2019~2024)
-
リンク召喚の成熟:エクストラリンクの衰退、テーマ特化型が主流に
-
ゲームスピードの加速:2020年以降、展開力インフレが進行
-
規制緩和傾向:過去の禁止カードが環境に合わせて順次解禁
2.2 マスターデュエルでの先行解除(2024年12月)もあり採用率・勝率の分析に基づく調整が可能という点でこれはOCGにおける復帰のテストケースとみられており、ゴブリンカテゴリの登場も相まって別枠でも注目されています。
買取相場の分析と考察
半明治の現在の相場はこちら。(2025年6月時点)
レアリティ | 買取価格(概算) |
---|---|
スーパーレア | 約80円 |
シークレットレア | 約880円 |
20thシークレットレア | 約2000円(希少) |
制限復帰報道後にシークレットレアの取引需要が上昇中。
-
制限復帰による需要急増
-
ゴブリンカテゴリの強化
-
マスターデュエルでの事前採用データ
特に《ゴブリンの急襲》などの関連カードも値上がり中です。今後の相場予測では短期で相場がもう少し上がりそうかなと。相場を見越して買うのであれば一度検討しておきたいですね。