『BURST PROTOCOL』で突如として姿を現した《エクソシスター・カルマエル》。名前やステータスの上昇幅、そしてイラスト構図から見ても、《エクソシスター・マルファ》の変貌形であることはほぼ間違いないでしょう。
これまでの聖光をまとった白基調のデザインから一転、闇属性・赤系統の禍々しいオーラを放つ姿は「堕天」そのもの。エクソシスター=悪魔祓いという構図を踏まえれば、彼女自身が“祓う者から祓われる者”に転じた可能性すらあります。神話的にも、名前の由来とされる「カマエル」は火星を司る天使であり、攻撃性と激情の象徴。その要素を宿したカルマエルの闇落ちは、テーマ全体の物語に深みをもたらす一枚です。

目次
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エクソシスター・カルマエルとは
《エクソシスター・カルマエル》は単なるテーマ内強化にとどまらず、物語的にも意味深な存在です。最近見なかったら闇属性化したマルファが、天使族でありながら敵の力を逆手に取るという効果になっているという感じなのは驚き。
除外効果などの帰還などをどう活用するかがポイントでしょうか。
エクシーズ・効果モンスター ランク4/闇属性/天使族/攻2600/守1800
レベル4「エクソシスター」モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがX召喚した場合に発動できる。このターンのエンドフェイズに、自分のデッキ・墓地・除外状態の「エクソシスター」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
(2):相手がモンスターの効果・通常魔法・通常罠カードを発動した時に発動できる。このカードのX素材を全て取り除き、その効果は「相手の墓地からカード1枚を相手の手札に加える」となる。
効果①:エンドフェイズに魔法・罠を呼び戻す“カルマの報い”
1つ目の効果は、エクシーズ召喚に成功したターンのエンドフェイズに【エクソシスター】魔法・罠カードをデッキ・墓地・除外からセットするというもの。
一見テンポの遅さが目立ちますが、除外からも回収できるため《エクソシスター・アルテア》や《ディメンション・アトラクター》でリソースが散らばったあとでもリカバリー可能なのが魅力です。
「墓地リソースを確保しづらい」【エクソシスター】ではこの“後追いサーチ”が意外と助かる場面が多く、特に《エクソシスター・バディス》をセットしておけば次ターンの展開に直結します。エクシーズ召喚の手間を補って余りある継戦力を感じますね。
効果②:相手の効果を書き換える異質のメタ能力
このカード最大の特徴が、相手のモンスター効果や通常魔法・罠の発動を“改ざん”してしまう第2効果。素材をすべて取り除くことで、その効果を「相手の墓地からカード1枚を相手の手札に加える」に書き換える効果に。
妨害札になり得ますが、ある意味ではアド損効果。召喚時での効果などで切り返しがきくようにしておきたい所。発動条件がゆるく、モンスター効果でも通常魔法でも使いやすそうな効果ですが・・・?
アトラクターとの相性がいい側面も
今回の【エクソシスター】新規は採用しやすい《ディメンション・アトラクター》との兼ね合いが優秀。墓地が《ディメンション・アトラクター》のみという状態が基本であり、その状態でこの効果を発動すれば確定で発動条件を満たした《ディメンション・アトラクター》が手札に加えられるので『実質確定で手札に加えられる』メリットがあります。
こういった誘発を逆手にとれるような動きはこのカード特融の強みで考えられそうですね。
闇堕ちした救世主の立ち位置
エクソシスターというテーマは、これまで「清浄なる光」「墓地を祓う」という純白の信念で貫かれてきました。しかし《カルマエル》=闇堕ちマルファは、その「祓う側」が自ら“穢れ”を取り込むという逆説的な立ち位置に踏み込みました。
天使族のまま闇属性になるというのは、まさに信仰と禁忌の境界線上。遊戯王でもかなり稀な組み合わせです。効果面でもそれは如実で、「墓地を利用する=禁忌の力」を逆手に取るような挙動が多い。これまでエクソシスターは“相手が墓地に触る”ことを条件に展開していましたが、《カルマエル》では自分から相手に墓地干渉を強要する動きも可能になっています。
相手の罪を誘発して祓うという皮肉な構造。まるで“堕天”した彼女が、純白の理想を歪んだ形で守ろうとしているようにも感じられますが、皮肉にもケアプランとして活用できるかどうかも視野に入る効果なのがなんとも。
