2025年YCSJ名古屋は、結果だけを見れば「予想通り、そして予想以上」だった。優勝・準優勝の両方を【M∀LICE】が占め、上位64名中16名（全体の25％）という驚異の使用率を記録。もはや“環境トップ”ではなく、“環境そのもの”と言っていい支配力を示した。
今回はそんな名古屋大会の感想を振りかえり。
「マリス規制されないの？」不満と皮肉の大合唱
SNSは【M∀LICE】への批判で埋まったりと非常に難しい結果になりました。萌えでかつ大会でもある程度強いテーマが強力なのは良いんですけど1年以上環境に居座って規制されない理由が分かりづらい謎なテーマ。
ただ除外や墓地送りなどすべてのテーマデッキを対策できないインフレに到達していて、中途半端なメタだと天盃が飛んできたり、別途違うデッキが邪魔をしてくるなどすべてのテーマがもう対策しきれない領域に来てそうです。
また汎用サイバースを巻き込んで禁止にするしかない問題はあって、制限改定などを含めると活躍した＝規制ではなく今回はシングルで強いテーマというだけで“規制基準がマッチ戦ベースだからシングル戦の壊れ具合は放置される”という点に多くのユーザーが不満を募らせているのも大きく、大会は特にシングルなのでその運ゲーはどうしても問題になりそうです。
ただ暗黒時代の聖刻ほどじゃないし、バランスとしてはまだましかな。
「シングル戦」が抱える根本的な問題
実際には「マッチにすればいい」「いや無理」という議論も加熱している昨今。今回のような遊戯王大会はカジュアルで楽しめるようなもののYCSJは25分×シングル形式で予選をこなす簡単さが売りなものの競技性や勝つ事が前提の大会になりつつある故の問題が浮き彫りになりつつあったりして。
発信者もみんなガチだし、2日開催にすべきという声もあり、プレイヤー間で“運営リソースと競技性”の折り合いでかなり差が問題になってて、自分でもちょっと困惑。
そもそも自分は障害的にもそういう場所に行けないのですが、シングルでぐるぐる回るのはしんどいなぁ。
意外なテーマの健闘が楽しいイベント
ただしこの中で大会で上位に出る人は「環境トップを握らずに上に行ける」事を証明できるイベント。ブラマジや磁石の戦士やホルアクティまで出ている事もあり、今回の大会のうまみは出ているのかもしれません。
逆に言ったら環境トップを全規制すればそれだけでいいのでは？とも思いますけどねぇ。実際、上位にHEROや月光、エルフェンノーツが名を連ねており、メタ外テーマの奮闘が一定の希望を与えた形で【M∀LICE】ミラーがあっていつも通りな展開を割けないと遊戯王としての面白さが伝わらない。
というか大会が開発者ではなくてデッキを握る人に委ねられるのはあまり好きじゃない。
上位デッキ分布に見る環境の相関図
【M∀LICE】の後を追うように、【星辰（ドラゴンテイル）】【天盃龍】【ヤミー】といった展開型テーマが続く。特に【星辰】は「烙印」新規との噛み合いが良く、純テーマというよりも“烙印ギミックを使える高性能パッケージ”として扱われていた印象だ。
上位64の内訳は以下の通り。
M∀LICE 16
星辰 8
天盃龍 6
ヤミー 6
オノマトライゼオル 3
王家の神殿（リシド） 3
烙印 2
磁石の戦士 2
エルフェンノーツ 2
月光 2
再世 2
K9（VS型含む） 2
HERO、青眼、原石ブラックマジシャン、オルフェゴール、巳剣、キラーチューン、御巫、絢嵐、マリンセス、3軸GS（幻影騎士団） 各1
今回の大会で注目を集めたカードを挙げるなら、間違いなく《霊王の波動》はメタで便利だったし、“1先メタの象徴”で採用されていたしなんだかんだ《The Fallen ＆ The Virtuous》や《白き竜の落胤》といった新規烙印関連カードも複数のデッキに出張してたのはうれしい感じ。
一方、《ドロール＆ロックバード》は依然として環境の足切りカード。誘発合戦の中心に座り、【M∀LICE】がこれを「採用できる展開デッキ」であることが他との差を広げている最大の理由でもある。
結局誘発を採用してるデッキが強いのか
個人的には超融合を採用しているデッキが個人的には好きだったので今回の大会では満足でした。「マリスを倒すための新しいギミック」か、「マリスミラーを制する構築の最適化」かを考えるしかシングルではないのですが天盃が出た時も同じような事も言ってたりしたのであんがいすぐに環境は変わりそうなんじゃないかなって思ってます。
ただ正直環境や競技性が強い発信者しかいないこの現状、正直やばいような気がしていて、自分がそうじゃないから分かるんですけど凄い阻害感を感じるんですよね……。
自分も少しずつ発信者として頑張ってカジュアルな世界観で楽しめるようになってみたいです。まずはマスターデュエルを継続して遊ぶところからかな……
