2025年5月、話題を呼んでいる「E・HERO サンダー・ジャイアント-ボルティック・サンダー」。このカードは、かつての「E・HERO サンダー・ジャイアント」をモチーフにしつつ、強烈な盤面制圧力と新たな展開力を備えた融合モンスターとして登場しました。
SNSやX(旧Twitter)では早くも議論が巻き起こり、肯定派と慎重派で意見が割れている状況です。この記事では、プレイヤーたちの声を拾いつつ、実際にデッキに投入してみた筆者の体験を交えてまとめます。
インスタント・コンタクトからの展開が熱い!
まず注目されているのが、《インスタント・コンタクト》1枚で呼び出せる点。レベル6ということで、《E・HERO フレイム・ウィングマン-フレイム・シュート》と並べての盤面形成が可能になりました。特に話題になっているのが、以下の①の効果です。
①:特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのカードの数が自分フィールドのカードより多ければ、フィールドの他のカードを全て破壊できる。
これは事実上の盤面リセット効果で、条件さえ合えば一方的な除去を行えるため、HEROデッキの新たな切り札として期待されています。
②の効果も展開ルートの鍵に
さらに、②:このカードの融合素材に通常モンスターを含んでいた場合、自身をリリースして墓地の「E・HERO」1体を特殊召喚できる効果により、例えば《ソリッドマン》を経由した再展開や、《D-HERO ダークロウ》の1枚初動も可能になります。実際、SNS上でも「このカード1枚でダークロウ2体とかヤバすぎ」といった声が上がっており、コンボ派のプレイヤーからの支持は厚いようです。
慎重派の反応:「制圧力と引き換えのリスク」
とはいえ、必ずしも手放しで絶賛されているわけではありません。①の効果は非常に強力ですが、「自分のカードも巻き込まれる」ため、誤って展開途中のキーカードまで吹き飛ばすリスクがあります。特に《クロスガイ》や《ワンダードライバー》といったリンク先で再利用したいカードが巻き添えになると痛手です。
また、②の効果も一見魅力的ですが、そもそも「通常モンスターを融合素材にする」機会自体が少ないため、発動機会が限定的。既存の《ソリッドマン》や《HEROアライブ》で似た動きができるという点から「わざわざこのカードを使う必要ある?」という声もちらほら。
素材のゆるさ=テーマ性の喪失?
また、融合素材が「属性の異なるE・HERO×2」となっており、かつての《スパークマン》+《クレイマン》という固定素材からの変更に違和感を覚える人もいます。筆者もこの点は少し寂しく感じました。あの「決まった組み合わせ」で融合召喚するのがHEROのロマンでもあったので、汎用性が高まる一方で、"らしさ"が失われたような印象も否めません。
「ファンアイテム」としての意義
このカードは、Vジャンプの応募者全員サービスとして配布されたという背景もあり、そもそも「ガチカードというよりファンサービス枠」と見る向きもあります。必須カードというよりは、「HERO使いなら入れておきたい1枚」といった位置づけに落ち着く可能性も。
総評:試す価値は大いにあり、でも見極めも大事
「E・HERO サンダー・ジャイアント-ボルティック・サンダー」は、HEROデッキに新たな可能性を与えるカードであることは間違いありません。特に《インスタント・コンタクト》との組み合わせによる爆発力は、実際に使ってみてその強さを実感しました。
ただし、効果のリスクや役割の被り、そしてテーマ性の変化など、冷静に見れば見えてくる課題もあります。
今後の大会やメタ環境での活躍を見守りつつ、自分のHERO構築に合うかどうかを見極めるのが良いでしょう。